請負?準委任?業務委託契約の違いとは

はじめに

今回は、請負契約、準委任契約の業務委託契約の

違いについて、わかりやすく説明していきます。

この記事はこんな方にオススメ!

  • IT系の分野で活躍したいので、IT用語・知識を習得したい
  • 社内SEで業務委託の発注をしている

業務委託契約とは

業務委託契約とは、業務を外部発注(アウトソーシング)する際に、

発注者と受注者が結ぶ約束事です。業務を外部発注するというのは

ピンとこないかもしれないので、例を挙げると

  • 社内の給与計算等、業務そのものの代行を外部に委託する
  • システム開発において、要件定義を依頼する
  • システム開発において、プログラミング等、製造を外部に委託する

などがあります。業務委託契約は契約した内容で大きく分けると

以下の2つに分かれます。

1.請負契約

2.委任契約、準委任契約

では、それぞれの契約について詳しく説明していきましょう。

請負契約と委任・準委任契約について

まずは、請負契約、委任・準委任契約について説明します。

請負契約

請負契約とは、受注者が発注者の依頼したものを完成することを

約束するという契約です。請負契約で受注した場合、何がなんでも

依頼されたものを完成させるまで契約履行したとは言えません。

委任・準委任契約

委任・準委任契約とは受注者が発注者の依頼した行為をすることを

約束する契約です。依頼した行為として、その行為が弁護士に仕事を依頼する

など法律行為となる場合は、委任契約。法律行為以外となる場合は、

準委任契約となります。IT業界における「発注」というのは、

開発や製造というところになりますので、この記事では、

準委任契約に絞って、以下説明していきます。

請負契約と準委任契約の違い

請負契約と準委任契約で最も大きな違いは、請負契約は結果に重きを

おいているということ、準委任契約はプロセス(過程)に重きをおいている

という点です。また、それぞれの契約によって、果たす義務・責任が異なります。

それぞれの違いを表にまとめます。

受注者の義務成果物の納品中途解約支払のタイミング瑕疵担保責任※2
請負契約仕事の完成義務必須依頼したものを完成させるまでであれば、発注者は解約可能成果物納品時あり
準委任契約善管注意義務※1必須ではない発注者、受注者ともに
いつでも解約可能
依頼された行為が完了
となった時
なし

※1 善管注意義務・・・受注者の能力や社会的地位から考えて、

一般的に期待される注意を払わなければいけない義務

※2 瑕疵担保責任・・・受注者が完成させた成果物に契約書や仕様書で定めた通りに

ならない不具合や欠陥などがあった場合に、受注者が負う責任のこと

請負契約と準委任契約のメリット・デメリット

請負契約と準委任契約の発注者側、受注者側のそれぞれのメリット

デメリットを表にまとめます。

契約形態立場メリットデメリット
請負契約発注者・仕事の完成(成果物)が約束される
・コスト管理がしやすくなる
⇨受注者の工数により、報酬の増減がない
・発注した依頼内容の変更が難しい
・契約書に印紙が必要
受注者・効率化により作業時間が削減できる
⇨仕事が完成することで報酬が得られるので、時間削減できれば儲けモノ
・原則再委託が可能
・中途解約ができない
・仕事を完成させないと報酬がもらえない
準委任契約発注者・発注した依頼内容の変更がしやすい
・契約書の印紙が不要
・期待した結果(成果物)が得られない場合がある
・コスト管理が難しい
受注者・報酬の見込みが立てやすい
・スケジュール管理がしやすい
・中途解約が可能
・仕事の完成まで見られない場合、やりがいを感じにくいことがある
・発注側からの許可を得ないと、再委託ができない

上表のメリット、デメリットを踏まえた上で、発注者側も受注者側も

WIN WINの関係で契約をしていきたいですね。

おわりに

今回は、請負契約、準委任契約の業務委託の違いについて

説明しました。発注者側、受注者側のメリット、デメリット

についても一読していただき、今後の業務に活かしていただければ

と思います。

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